木魚歳時記 第142話

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炎天や 「エンマ・ソワカ」と 呪文する

不老不死の妙薬

 案内の土地神によりますと、幡桃園には、全部で三千六百株の桃の木があり、千二百株は実が小さくて、これを食べると道術が備わり仙人となります。つぎに千二百株は実が大きくて、これを食べると「不老不死」が得られます。さいごの千二百株は、実に見事に熟した桃で、表面に紫の紋様があって、これを食べると天地の壽(よわい)と、日月と庚(とし)をおなじくする…のだそうです。

 これを聞いた悟空は有頂天となります。さっそく番人の目を盗んで桃の木に化けてしまいます。そこで番人はあわてて、あちらこちらとさがしますが、見つからないのでさきに帰ってしまいます。そのことはともかくとして…
 悟空がそれから、「不老不死」の桃ばかりを選んで、食いも食ったり太鼓腹になるまで…そしてそのまま寝込んでしまいます。さて、その顛末は…