木魚歳時記 第133話

f:id:mokugyo-sin:20131215140158j:plain

七夕や 一か八かの 受送信

如意棒

 花果山に戻った悟空は、玄猿たちと再会を喜びます。

 さて、きん斗雲、遁身(とんしん)はもちろん、天に登れば地をくぐる。水が平気で火に焼かれない…いやはや、七十二般の術をあやつる悟空の噂は、たちまち、傲來国(ごうらいこく)中に広まったのです。そした南海の龍王から「おこし願いたい…」と招待状まで届きました。
 そこで悟空は<開水の術>で水晶宮を訪ねると、大亀、鼈(すっぽん)、海老、蟹、蛸…など大勢の出迎え、龍王の歓待を受けたうえ、土産にもらったのが、あの有名な<如意棒>なのです。
 この<如意棒>とは、大きくすれば長さ二丈腕ほどの太さ、重さは四、五千キロになります。そして、小さくすれば毛筋ほどになって耳の穴にも隠せます。まこと惚れ惚れとする<一物>であります。ですから「猿に金棒、木魚に大黒」。と、悟空は大いに気に入っております。