木魚歳時記 第134話

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滴りて 京のとうふの 柳腰

猿の塩漬

 さて、花果山に戻った悟空は、楽しく玄猿たちと暮らすうち、はや四、五年がたちました。

 ところで最近、不思議なできごとがあります。それは、四、五千匹の玄猿の数が、めっきり減ってきたのです。調べてみると、威勢のいい若猿ばかり、いつも日暮れがやってくると、ひそかに花果山をくだり、何処かに、何処毛(ドコモ)かに消えてしまうのです。
 そこで、一計を案じた悟空は、屈強な玄猿の戦士を四、五十匹を選りすぐり、夜陰にまぎれて山を降りる若猿たちあとをつけさせました。
 さて数日すると、斥候の四、五匹が戻ってきましたが、水連洞につくなり三匹が息絶え、あとの二匹も<猿の塩漬>のように萎えております。ようやく一匹が、蚊の鳴くような声で悟空に報告をいたしますが、そのことはつぎに…