木魚歳時記 第136話

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やきしもの 裏で縮かむ 鱧の皮

琵琶洞を偵察

 そこで悟空は<きん斗雲>に乗り、琵琶洞へと偵察にやってまいります。入り口に桃娘が番をしていますので、悟空はハエに変身して、岩戸の隙間から洞窟に潜り込むことにしました。

 「あの猿の坊やたちはどうしたのかねえ」。女妖怪の親分は、昼から酒を呑み、若猿たちの噂をしています。「真っ赤かっかが縮んだり伸びたりして?可愛いかったこと…」と、桃尻の子分たちも懐かしんでおります。
 さて、ハエの悟空が、女親分の杯に止ると、すでに親分は酩酊しておりますので、うすものを透かせて目と鼻のさきに…それからどんなすごいシーンを観察するか?それはともかくとして。「いやなハエだこと」と、ピシャリとはたかれ、危うく一命を落しかけましたが、、琵琶洞の状況は一応偵察できましたから、悟空は、ひとまず琵琶洞を引き上げることにいたします。