盛飯と 汁と嬶と 五月蠅
大いなる放棄(2)
後に、釈尊は在家時代を回顧して、このように述懐しておられます。「自分もまた老いることを免れないのに、他人が老衰したのを見て、嫌悪し、恥ずかしいことと思い、悩み、考え込んでいた」と。
人間、おぎゃ~と生まれからには、やがて老人となり、病になり、そして死んでいく。これは万人平等に訪れる大自然の摂理(真理)であります。つまり生きることは、やがて老い、病に伏し、死にいたることであります。にもかかわらず「自分は若い、健康である、このまま変わらないつもりだ」という自信(おごり)を持ちます。その自信が失われたとき…ついに悩みと苦しみが始まります。
シッダルタの「生・老・病・死」に対する関心、これが出家をされる直接の原因であったのでしょう。