木魚歳時記 第105話

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山姥も 二つ食ふなり 桜餅

 山姥は、男をたぶらかす<女鬼>と多産系の<山母>の二面性をもって登場します。すなわち「天国と地獄」のシンボルなのです。どこかのウスラ<おやじ>が娘に化けた山姥と遭遇したなら、一発「のるか反るか」の勝負する外ないのです。

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 古いインド語で「地獄」のことを、NARAKA(ナラカ)といいます。奈落(ならく)のことです。また神の住む天界(てんがい)のことを、SVARGA(サウラカ)といいます。空(そら)麗(うらら)?のことです。天に昇るか奈落へ落ちるか…この「天国と地獄」に挑戦するのが「ナラカサウラカ」(のるか反るか)なのです。
 「さくら散る 残るさくらも 散るさくら」。特攻隊員を送る句(読み人知らず)と思っていましたが、永六輔さんによれば「斬首を前にした幕末の志士雲井龍雄」にかかわるものだそうです。平易にして感動を呼ぶ、これがぼくの目標です。