馬を牛という
江戸時代の『雑和集』に次のような話があります。孔子が弟子と道をゆくと、垣根のところから「馬」が顔を出した。それを見た孔子は「牛」だといったそうです。それを聞いて、顔回(がんえ)という弟子は、いち早くその意味を悟ったといいます。つまり、十二支の「午」(うま)の字から「棒」が顔出すと「牛」(うし)の字となる。このように賢者の心中を賢察できる諺(ことわざ)として用いられます。同義の諺に「拈華微笑」(ねんげみしょう)があります。さて「俳句には、伝統も革新もない。王道しかない」。とありました。