2014-01-01から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第1008話

ぞうきんは 他のよごれをいっしょけんめい拭いて自分は よごれにまみれている (榎本栄一) 教典(きょうてん)を読み仏の教えを学ぶことは大切なことです。なによりも自分自身の心を豊かにし、他の人の心も癒(いやす)ことができるからです。ただし、仏教…

木魚歳時記 第1007話

はきだめに えんど豆咲き泥池から 蓮の花が育つ人皆に 美しき種子あり明日は何が咲くか (安積得也) 人はみな「仏性」(ぶっしょう)といって、仏(ほとけ)となる種子(しゅし)を宿してこの世に生れてきます。なのに、どうして、みんな仏(ほとけ)と成れ…

木魚歳時記 第1006話

かたよらないこころこだわらないこころとらわれないこころひろくひろくもっとひろくこれが般若心経空のこころなり (高田好胤) 孤高(ここう)の哲学者と称された小笠原秀實先生に「般若心経の心」と題する小文があります。『般若心経』(はんにゃしんきょ…

木魚歳時記 第1005話

わたしゃ臨終すんで、葬式すんで、浄土に心すませてもろて、南無阿弥陀仏と浮世におるよ。 (浅原才一) 念仏に生き、念仏に死んでいった才一さんにとっては、もはや、この世あの世の生と死の境界はありません。こんな生き方を「法爾自然」(ほうにじねん)…

木魚歳時記 第1004話

木は木でよかった石は石でよかったわたしはわたしでよかったありがたいこと (竹部勝之進) お釈迦(しゃか)さまは誕生されるなり七歩あゆまれ、天と地を指さして「天上天下 唯我独尊」ともうされたと伝えられています。いくら偉大なお釈迦(しゃか)さまで…

木魚歳時記 第1003話

フッテヨシ ハレテヨシナクテヨシ アッテヨシシンデヨシ イキテヨシ (竹部勝之進) Yesとnoをはっきりとさせる西洋の考え方に対して、東洋の思想は中庸(ちゅうよう)を尊重するといわれます。ところで『阿含経』(あごんきょう)の中に「快楽と苦楽の…

木魚歳時記 第1002話

うばい合えば足らぬわけ合えば余るうばい合えば憎しみわけ合えば安らぎ (相田みつを) 荘子(そうし)のことばに「賢人は踵(かかと)で呼吸し衆人は喉(のど)で呼吸する」があります。人類が二本足で生活をするようになって、余った両手を使い道具を発明…

木魚歳時記 第1001話

花はなぜ美しいのかひとすじの気持ちで咲いているからだ (八木重吉) 「真理を求める者は塵(ちり)にさえ踏みつけられるほど謙虚(けんきょ)であらねばならない」。これはインド建国の父といわれるマハトマガンジーのことばです。法然上人(ほうねんしょ…