木魚歳時記第4901話 

 勝尾寺は箕面(みのお)山の北方にある山中の大寺で大和長谷寺と同年の建立という由緒もあり、その平安朝の全盛期には高野山にも劣らなかったいわれるが、源平の戦時に平家方がここに隠れたため焼き払われたのを熊谷直実らが再建に努力したともいうから、上人をここに迎えたのも熊谷の関係かと思われる。法然は山の西谷に住して居を二階堂と名づけた。(佐藤春夫 付録章『一枚起請文』)

          萩乱る北ノ辺町三九五

 「萩乱る」は秋季となります。ぼくは「寺町広小路上ル北ノ辺町三九五番地」で生まれ育ちました。「私が両手をひろげても、お空はちっとも飛べないが、飛べる小鳥は私のように、地面を速くは走れない」。金子みすずさんの詩を思い浮かべています。