木魚歳時記第4754話

f:id:mokugyo-sin:20220413061938j:plain

 仏間の隣室、南面の八畳に法然は住んだ。
 仏間での朝のお念仏には、学問部屋の聖光らも集まった。今の浄土宗が用いる木魚であはなく、伏せ鉦(かね)と磬(けい)と割笏(かいしゃく)とだけが、此処の勤行(ごんぎょう)に使われた。激しい蝉時雨のような鉦鼓(しょうこ)の音が、晨朝(じんちょう)、日中(にっちょう)、日没など日に六時、遙か谷下の西の新房や渓流沿いの松下新房、また最も奥まったここ中の房との三所から同時に湧き起った。(佐藤春夫『極楽から来た』)1389

             しんがりはのっぽ猫背の鉢叩 

 「鉢叩」(はちたたき)は、空也堂の僧が行った寒念仏(空也忌から大晦日まで)が有名です。ぼくも息子も、大寒の頃に、浄土宗の有志による「鉢叩」に参加したことがあります。身の引き締まるような経験をしました。ところが、これを「のっぽ猫背」と斜めに詠むところが、ぼくが独尊居士と称される所以です(汗)。