木魚歳時記第4745話

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 しかし、幾ほどもなく、桃李言はねども、下自らに蹊(みち)を成して、東山吉水の地は、その上の天に星辰は特別にかがやき、地上には心ある人々が木枯らしに吹き寄せられた落葉のようにここに集まり、法然は嵯峨から移り住む中の房を起て増したほかに、東西二つの新房まで設けて、世を捨てて道を求め、もしくは世に捨てられて憂いに沈み、一代の老師をただ頼む木かげとしたい寄る人が来り泊まっている。信西の子円や、重盛の孫智、さては老頽廃者(ろうるいはいしゃ)隆信などもこの僧団に世をしのぐのであった。(佐藤春夫『極楽から来た』)1381ー2

                    八月を蹴り上げてゐる赤ん坊

 炎夏であろうとなかろうと、赤ん坊が手足をばたつかせるのはあたりまえです。しかし見飽きがしません。可愛い・・内孫ともなるとなお目が離せないのは事実です。こうした俳句は、ことさら解説する必要がありません。句集の「自解」について避けるよう教えられたのは、俳句と認知されるか、キャッチ・コピーの域に留まるのか、その違いがあるような気がします。