木魚歳時記第4739話

 わが恋は知る人もなしせく床の涙もらすなつげのを枕
    忘れてはうちなげかるる夕べかなわれのみ知りて過ぐる月日を
 内新王が誓って深く胸に秘めた我のみ知って年久しくその切ない心を告げなかった恋慕の主を、わたくしはこの十八の少女の日、斎院を退下した数日後に父法皇の意のままに引き会わされて受戒した時の、あの武士にももして見まほしくたくましい、しかもその説くところは春風のように温かくなごやかにやさしい壮年の僧で、その後も折ふし父に召され、(佐藤春夫『極楽から来た』)1376

               陽炎やD51吠えてめらと燃え

 吟行で、初めて主催から採って頂きました。しかし前掲の「中腹に煙ひをすぢ」の方が好きな作品です。ぼくは、句作の過程で言葉を「つめ込み過ぎる」ことが多いようです(汗)。結果「何がなんだか」わからない作品に堕します(汗)。梅小路の機関車博古館(旧)に吟行した時の作品です。「D51」(デゴイチ)は何に燃えた? 懐かしい作品です。