木魚歳時記第4738話

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  色々の花も紅葉もさもあらばあれ冬の夜深き松風の音
 住み馴れむわが世はとこそ思ひしか伏見の暮れの松風の庵
 目にあやな種々の花や紅葉を美しいものと喜ばないでもなかったが、それよりも冬心を抱くことのさびしさく悲しい女流歌人の心に共鳴するものは寂莫(じゃくばく)たる天地の間に鳴る松籟(しょうらい)であった。そうしてこういう女人にも女人だから決して決して恋ごころがなかったわけではない。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1375

          どこの子か両手に蝉をにぎり占め

 俳句を始めたのは定年退職(65歳)の時です。以来、政利さん(故人)には親しくしていただきました。政利さんから「木魚ぽこぽことあぶな句雛の昼」と描いた短冊を頂戴しました。ぼくの独尊居士を見透かされたようです(汗)。ですから座右の銘として大切にしています。「どこの子か」は政利さんです。幼少より神童と呼ばれていたそうです。あっ、ぼくは、独りよがりの「独尊居士」です(汗)。