木魚歳時記第4732話

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 もしこの心ざしまことならば、いかでかまた御たすけにもならで候べき。たのみおばしめさるべきに候。おおかたは申しいで候いし一ことばに、御心をとどめさせおわします事も、この世一つの事に候じと、先の世もゆかしく、あわににこそおもいしらるる事にて候えば、うけ給わるごとくは、このただ事にさきだたせおしますにても、
(佐藤春夫『極楽から来た』)1369

                 少年に酢の匂ひして竹の秋  

 3月頃、突然、竹が落葉のように黄ばんでくることがあります。ですから「竹の秋」は春季となります。さて、「酢の匂」について。小3の頃の男子ならたいてい、突然におとずれるこんな生理現象に戸惑うことがあります。ぼく俳句は、凡人の域を脱しませんが、小3の頃の運動神経はそこそこでした。ひねもす、鴨川や御苑に行って、木登り、魚獲りに熱中していました。