木魚歳時記第4705話

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  第二十九章 浄土の恋

(一)この時代、特に後白河法皇は、まことに盛大な造寺事業を続々と遊ばされものであった。これは申すまでもなく仏教に対する深い御帰依の現れであるが、また一面、造寺によってこれに付属する荘園をつくり営み、摂関家その他に属していた荘園を自発的に寄進させる方法で権力者の私領をおだやかに朝廷に回収する一政策であったと見られないではあるまい。こういう観察は、当時天下第一の大荘園といわれた長講堂領、八十八ヶ荘成立の経過などを見ることによって、わがこの観察の必ずしも独断でないことも証せられると思う。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1342

       吐く息の白く激しく寒念仏  念仏(ねぶつ)   

 「ボクの細道]好きな俳句(2442) 矢島渚男さん。「大部分宇宙暗黒石蕗の花」(渚男) 壮大なスケールの作品です。天体(マクロ)と「石蕗」(つわぶき)の花(ミクロ)の取り合わせが絶妙です。やはり天体を詠う作家に、正木ゆう子さんがおられます。「いま遠き星の爆発しづり雪」(正木ゆう子)

  め(目)にみゑの(ぬ)、なむあみだぶに、
  つつまれて、なむあみだぶの、
  なかで、ねんぶつ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)