木魚歳時記第4916話 

 上野国の学僧で、叡山並榎(なみえ)の堅者(りつしゃ)定照(じょうしょう)は、上野の叡山領を管していたが、荘園内の念仏興隆に抗し切れず、えせ忠義立に本山の僧兵を扇動して迫害に乗り出し、「すべからく専修念仏を停廃せしめべし、但しその根本により、先ず源空が大谷の墳を破却してその遺骸を鴨川に流し、又門弟隆寛幸西等を遠流に処すべし」と騒ぎ立てたのがこの暴挙の起こりである。
(佐藤春夫 付録章『一枚起請文』)

        大空はなにごともなし鳥帰る

 「鳥帰る」は春季となります。春から初夏にかけて渡って来て営巣、繁殖するようです。こうしたツバメとかホトトギスなどの「夏鳥」と違い、ぼくは、すっかり「居付鴨」となってしまいました(汗)。