木魚歳時記第4627話

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 法皇は御心中、鎌倉陣営に与えた打撃にほくそ笑ませ、天皇親政の前途に光明をお感じあったものであるが、佐々木の一党に死罪や流刑などを御決裁の後いくばくもなく、その年の歳末から、ふとしたお疲れとばかりにに思われた御不例がはかばかしからず、おん下腹の膨張(ぼうちょう)の御様子が容易ならず拝せられた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1266

        やや寒やあと五分だけ寝て居たい

 「ボクの細道]好きな俳句(2364) 摂津幸彦さん。「露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな」(幸彦) 作者の代表句です(と思います)。路地にはウナギ寝床が多い。そして、そして立て込んでいます。日暮れの時間に、金魚の「眼」から見るなら、こうした傑作が生まれるのでしょう。

人はひとりであるとき
いちばん強い。
(吉田浩二郎「青い毒薬」)