そういう世情や天皇が宸襟(しんきん)を悩まし給うのをよそに、物に動ぜぬ法皇は神経が太いのか鈍いのか超越してか、思いのほかに悠々たる明け暮れを楽しませ給うのであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1014
婆さんを遊びに行かせ煤ごもり
「ボクの細道]好きな俳句(2104) 波多野爽波さん。「柿若葉とはもう言へぬまだ言へる」(爽波) 若葉の育つのは早い。とりわけ、柿の葉は「照り」ありますから・・作者の独特の目のが光ります。対語(もう言へぬまだ言へる)が効いて来ます。
泣く子はひとりわしがこと、
おやをたづねて泣いたわたくし、
今はあなたに呼びとられ。
『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)