木魚歳時記第4063話

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 「しかし、わしは摂関家の出で、臭い者身知らずか、白河院以来のお色好みに決して非を打つ気はない。
 あれはむしろ健康でいい好みと思っている。そうでないか、独裁の君主ともなれば、どんな事でもし放題なのだから」
(佐藤春夫『極楽から来た』)730

       寒稽古ひとり小さな黒帯さん

 「ボクの細道]好きな俳句(1810) 長谷川櫂さん。「灰の上の灰は木の葉の形して」(櫂) 木の葉のかさなりは美的で情緒があふれます。「灰の上」とは? 落ち葉を焼いた残り灰のことでしょうか? たしかに、落ち葉の種類によってはその「灰」の形に原型(木の葉)をとどめることはあるでしょう。しかし、この作者の作品は自身に満ちて読者を信頼させます。

 カナリア12 突然、私はランプを籠に近づける。彼はぱっと眼をあれる。なんだもう夜が明けたのか! で、さっそく彼は動き回りはじめ、跳ねたり、葉っぱをつつき回したりしながら、尻尾を扇型に広げ、翼(はね)を伸ばす。