木魚歳時記 第3963話

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 果たしてだれのために帰ったのやらは知れたものではない。男たちはみな自分のために帰ってきたと思ったかも知れない。しかし事実は美濃へ同行した男にあきた末に、彼女は渡リ歩く相手のない田舎がつまらなくて都が恋しくなったにきまっている。然らば都の男すべてが恋しくて帰ったのである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)638

       紅葉のなだれ落ちたる谷川岳

 「ボクの細道]好きな俳句(1711) 与謝蕪村さん。「菜の花や月は東に日は西に」(蕪村) 芭蕉翁が登場するとなれば、蕪村翁も登場しなければ・・蕉翁が、五感の詩人であるとすれば、蕪村翁は、特に、「視覚」に秀でた詩人であるといえましょう。それはともかく、蕪村翁もやはり神格に近い作家に違いありません。つづいてブッダのことばとのコラボ(無作為)をお楽しみください。

 毛虫(けむし)5 で、今度は、彼女の様子は、道の長さをくぎりくぎり喉(のど)へ押し込むようにして、苦しげに嚥(のみ)込んでいくとでも言おうか。