あまり純真でない人格にすぐれた詩魂の宿る例は古今にまれではないが、さしさわりのないところでは、唐の宋之問(そうしもん)だの、頼政などがその好適例のように思われる。
ともあれ彼の歌は花鳥風月の遊びではなかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)610
どんぐりの樋に転んで山の寺 樋(とひ)
「ボクの細道]好きな俳句(1683) 松尾芭蕉さん。「木のもとに汁も鱠も櫻かな」(芭蕉) 木(こ)陰が、鱠(なます)が、さくらが、クローズアップされます。
たとえば 陶器づくりは
粘土をこねて器をつくるけれども
すべては いつか 壊れてゆく
人のいのちも そのようなものだ (ブッダ)
蝸牛(かたつむり)5 あんまり乾いた日には、蝸牛は箱の中で眠っている。雨が降りそうになって来ると、アベルは早速彼らを外に出して整列させる。で、すぐに雨が降らなければ、上から水をいっぱいひっかけて眼を覚まさせる。