木魚歳時記 第3922話 

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   のぼるべきたよりなき身は木のもとに椎を拾うて世を渡るかな
 と詠じて三位に昇り、源三位と呼ばれる。しかしこの昇殿は歌の徳ではなく、死を前にした七十五歳の彼をあわれみ、久しく圧迫しつづけた清盛が罪ほろぼしに奏上して彼に得させたものであった。
 官位ははかばかしく昇らなかったが、さすがは古い名門だけに堂々たる邸宅に住んでいた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)603

        花野来て昼の住処と定めけり

 「ボクの細道]好きな俳句(1671) 橋 閒石さん。「豪雪や母の臥所のかぐわしく」(閒石) 閒石さんのことを調べたわけでありません! ですからくわしいことはわかりませんが「かぐわしく」とあるからには、母の臥所(ふしど)、つまり、寝床はいい香りがしていた・・ということでありましょう。ボクが童(わらし)のころ。蚊帳の中で添い寝の母とぶつかりドキリとした感触を覚えています。

 鼠6(ねずみ) そうなると、私は足を動かすこともできなければ、あんまり大きな息もできない。それこそ、彼は逃げてしまうだろう。