木魚歳時記 第3914話

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 多田源氏は、はじめ、藤原氏の強敵と見えた賜姓貴族の雄、西宮左大臣の謀反を讒訴(ざんそ)して藤原北家に取り入り、満仲、満政、満季の三兄弟が、当時勃興していた多くの武者の中から抜擢されて、京都の軍事警察に任じられて武家の総元じめのような事になって、関東の武者たちの都への進出を阻(はば)みかたわら甘んじて藤原氏の爪牙(そうが)となったおかげで受領級の家と成り上って世に出たものであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)595

        さつきから鶸がすうすう電線に  鶸(ひわ)

 「ボクの細道]好きな俳句(1663) 後藤比奈夫さん。「考へてをらない蝌蚪の頭かな」(比奈夫) 「蝌蚪」(かと)とは、おたまじゃくしのことです。なるほど、春風につられて、いつまでもぐるぐる回りする「おたまじゃくし」を見ていると、アタマが空っぽなのか? などと思ってみたくなります。 ボクも、俳句(らしき)ものを始めて、かれこれ17年ほどになりますが・・おなじところをぐるぐる回りするのは、おたまじゃくしと同じです(汗)。

 兎(うさぎ)8 いっときルノワアルはびっくりして、口を休める。燭台(しょくだい)のような形に坐り、柔らかく息をしながら、しっかり唇(くち)を閉じ、眼の縁を薔薇色(ばらいろ)にして、彼はじっと眼を据える。