木魚歳時記 第3895話

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 「文にもあらず、武にもあらず」
などとおん父をはじめ周囲からその才能を軽んじられた四の宮の、少々異常でこそあれ、決して凡庸でない才能も、また知らぬ間になつかしい兄上と敵対しなければならない悲運に立ち至ったために、性格をさえ全く誤解されてしまった世に、ひとり朝子がいることが後白川天皇はこの上なく喜び、彼女をただの乳母とのみは思召さず、天下無二の知己とも重んじ給うたのである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)578

       『木魚歳時記』なんじゃもんじゃの花盛り

 「ボクの細道]好きな俳句(1644) 種田山頭火さん。「朝湯こんこんあふるるまんなかのわたし」(山頭火) 山頭火さんが亡くなられる直前の作品だそうです。松山に帰られ、住まいの「一草庵」から道後温泉の朝湯には度々通われたそうです。そこには、偉大な俳人である種田山頭火さんというより、温泉を楽しむ一老人の姿を見るような気がします。 「富貴は慈悲より来る」(「大乗の十来」)

 羊(ひつじ)4 向うでは、別のやつが眩暈(めまい)を起こして,坐(すわ)りの悪い頭に膝(ひざ)をぶつける。
 彼らは村に侵入する。あたかも、今日が彼らのお祭りという風である。で、騒ぎ犇(ひし)めいて、街なかを嬉しそうに啼(な)き回っているようだ。