木魚歳時記 第3897話

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 (五)よき乳母に対する愛と感謝とをうつしてその夫を寵遇し給うたので、決して信西の才能手腕のみを用いたのではない。しかしうぬぼれた信西はそこに気がつかなかった。
 天皇はまた孤独な少年時代の思い出竹馬の友信頼をなつかしく思うてこれを用い給うた。後に信西のよき従者であった西光法師を寵臣の列に加えられたのも全く同じご心事である。
(佐藤春夫『極楽から来た』)580

      母さんのちぎり絵が好き栴檀の花  栴檀(せんだん)

 「ボクの細道]好きな俳句(1646) 種田山頭火さん。「おちついて死ねさうな草萌ゆる」(山頭火)。 昭和15年10月10日。山頭火さんは体調をこわし、一草庵での句会(夜)に出ることができず、隣室で床についておられたそうです。句会が終わり、その寝息を確かめてからみなさんが帰ったところ・・翌朝、気になり、訪れてみると「ころり大往生」されていたそうです。享年58歳。 「敬愛は忍辱より来る」(「大乗の十来」) 

 羊(ひつじ)6 遅れた連中は、空に、思いがけなく最後の姿を描き、それから糸毬(いとだま)のように丸く寄り合った群れのなかに一緒になってしまう。