ふたりの兄のたのしげな遁世生活を見て、最後に思い切って兄たちの仲間に加わったのが四男の寂超、為経であった。彼は父の官職を継いで皇后宮少進なっていた。父と同じく、美福門院に仕える宮内官なのである。そうして彼はこの門院の女房で加賀と呼ばれた若狭守親忠の女を妻にして、その時三つなった男の子隆信があった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)484
兄たちの声きゝたしや浮いてこい
「ボクの細道]好きな俳句(1544) 岩淵喜代子さん。「駆け足のはづみに蛇を飛び越えし」(喜代子) こんなことが実際に起こり得るのでしょうか? と、そんなことを考えるのは野暮でしょう。さて、ボクの子どもの頃は、夜店(祭)に行くと「浮人形」を売っていました。実際に起こり得ることではありませんが、大戦(昭和)の最中、身罷(みまか)ることになった兄たちと、もういちど会って見たい・・その声を聞 いてみたい・・と、ふと、そんなことを思うこの頃です。
七面鳥(しちめんちょう)1ー1 彼女は庭の真ん中を気取って歩き回る。あたかも帝政時代の暮らしでもしているようだ。