木魚歳時記 第1890話

f:id:mokugyo-sin:20140222031249j:plain

二等分

 或る長者が住んでいました。ところが、この長者が病に罹(かか)り、寿命が尽きることをを知りました。そこで、子どもたち二人を自分の枕もとに呼んで遺言をすることにいたしました。「自分が死んだときはなんでも二等分するように」。そういい残して長者は死んでしまいました。ところで、二人の息子たちは、父親の残したことばを忠実に守り、金貨も、家屋敷も、家具も、装飾品も、衣類も、なにもかもを二等分に切り裂いてから分け合ったのです。もちろん、長者の残した財産の大部分を、ふたたび使いものにならなくしてしまったことはいうまでもありません。(『比喩経』)

        秀衡の遺言とかや寒牡丹

                秀衡(ひでひら)=(奥州)藤原秀衡