木魚歳時記 第1889話

f:id:mokugyo-sin:20140221055501j:plain

火宅の喩え

 長者が住んでいました。長者は七人の子宝に恵まれ、なに不自由なく暮らしておりました。ところが、ある日、大きな屋敷の隅から出火し、火勢はどうしようもなく家全体におよぼうとしています。ところが、気が付くと屋敷の奥には七人の子供たちが、おもちゃ遊びに夢中になっているのに気がつきました。長者は、子どもたちを外に連れ出そうとしましたが、子どもたちは遊びに夢中で、長者のいうことに耳を貸そうといたしません。そこで長者は「お父についておいで。家の外に、象の乗り物を用意したから」と告げました。それを聞いた子供たちは、象の乗り物に乗りたくて、すぐに長者について戸外に逃れることができました。象の乗り物とは、すなわち「仏の慈悲(じひ)」の喩(たとえ)であります。(『法華経比喩品』)

       七十路をころげ落ちたる冬将軍

                  七十路(ななそじ)