木魚歳時記 第1888話

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ガイド

 砂漠を行く旅人の群れがありました。旅人たちは砂漠にくわしいガイドの者を除けば、一族の者たちで占められていました。ところで、折悪しく砂漠は砂塵が吹き荒れ、さきに進むことが出来なくなりました。ガイドの者がいうには「これは砂漠の神のご機嫌(きげん)を損じたようです。神のご機嫌を治すには、神に人身御供(ひとみごくう)を捧げるより外はありません。」と。そこで、一族の者たちは、砂漠の神に誰を人身御供とするかで相談をしました。そして、一族の者から人身御供をさし出すことはできないことになりました。そしてなんと、ガイドを人身御供としてさし出すことに決めたのです。やがて、神へのそなえものにより砂塵は治まりました。しかし、ガイドを失った旅人の群れは、砂漠の果てをさまようことになり、一族は全員、死んでしまったということです。(『百喩経』)

       雪まろげ独尊居士の打つて出る

                  雪まろげ=雪合戦