木魚歳時記 第1741話

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 ヘビの話

 おかしなヘビがいました。というのは、ヘビの尾っぽは「自分こそ主人である」。と、そのように考えていました。また、ヘビの頭(かしら)の部分は「自分こそ主人である」。と、そう考えて譲りませんでした。ところで、このヘビが木から下りるとき、尾の部分が木に巻きついて降りられません。そこで、頭の部分が木から半身をもたげていいました。「いったい何をしているんだ、木から尾っぽを離しなさい」と。そう叫んだ瞬間に尾っぽの方木から離れました。そこで、ヘビは下の焚き火の中に落ちて死んでしまいました。ボサツはこの話を王のとこへ行ってしてあげました。

    爪を切る指先にある余寒かな