木魚歳時記 第1343話

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ほおたる

 ほ ほ ほおたろこい あっちの水は にがいぞ こっちの水は あまいぞ ほ ほ ほおたろこい

 ぼくが子どもの頃は、近くの川で捕らえてきた蛍を蚊帳(かや)に放して遊んでいました。はやく「お庭に放してあげなさい」。そんな母のことばを思い出します。さて、「俳句は、自分の眼で見て、自分の言葉で表現することが大切です。つまり、自分の言葉を発見することです。誰もが見ているようで気がつかなかったこと、それを切りとってみせることなのです。それには先入観を捨て、あらかじめ言葉を用意するのではなく対象に向かうことです。対象をじっと見ているうちに思い浮かぶ言葉こそが、新鮮な一句をもたらすのです」こんなことが書いてありました。

     老妻に桜衣を着よといふ