木魚歳時記 第1188話

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寂光院

 昔、壇ノ浦の戦いで平家方が負けたとき、建礼門院(けんれいもんいん)さまは、我が子、安徳天皇と海に身を投じなさったそうじゃ。ところが、幸か不幸か、建礼門院さまだけは源氏方の手で救い出されたのじゃ。その後、建礼門院さまは尼となってのう、京は洛北の大原の里にうつり住まれることになったそうな。ひっそりと、愛児、安徳天皇や平家一門の冥福を祈りつづけられたということじゃ。建礼門尼の住まれた草庵は、後に寂光院(じゃくこういん)と名づけられのう、今も、大原の里にひっそりとたたずんでおる。建礼門院さまの寂しい生涯に同情してか、訪れる人々の跡が絶えないということじゃ。
寂光院:京都バス大原下車

     ぼうたんのさくころ首をうたれけり