木魚歳時記 第1187話

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鞍馬寺

 昔、峰延(ほうえん)という偉い坊さんがおられた。上人が鞍馬寺で修業をされていたときのことじゃ。或る日、突然に大蛇があらわれて上人を一呑みにしようと襲いかかってきたそうな。そこで上人は大蛇にむかって「殺生の戒める」教えを説かれたのじゃ。すると大蛇は上人の教えを聞き入れ、わが身のこれまでの罪を懺悔(さんげ)し、その償(つぐない)をするために鞍馬寺の閼伽(あか)を絶やさないことを約束したそうじゃ。
 それ以来この大蛇は水神として鞍馬寺で祀られているそうな。また、この閼伽(あか)の水は、いまでも本殿の奥でこんこんと湧いておるそうじゃ。
鞍馬寺:京福電鉄鞍馬駅下車

    じやがたらの花をまとひて羊蹄山