木魚歳時記 第1184話

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仁和寺

 昔、仁和寺(にんなじ)の近くにある田畑が、夜になると荒らされることが起きたそうじゃ。そこで、見張っていたところ、一頭の馬が現れ、畑の中を走りまわると、明け方に仁和寺の方に消えたそうじゃ。
 そこで、仁和寺の和尚にそのことを話すと「寺に、巨勢金岡(こせのかなおか)の描いた馬の絵がある。これがあまりに良く描けているので夜中に出歩くに違いない」。和尚は、そういって馬の絵の<まなこ>を塞いだそうな。
 それ以来、田畑を馬に荒らされることはなくなったそうじゃ。馬の絵は「金岡の絵」と呼ばれ、仁和寺で大切に保管されているそうじゃ。
仁和寺:京福電鉄北野線・仁和寺

     ねじれ花もう故郷にもどれない