木魚歳時記 第1055話

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己を疑うな他人を疑うな天を疑うな (石川 洋)

 「私は老人の首すじの皺(しわ)を見る時ほど深い人情に動かされる事はない。なんという人間の弱さ、寂しさを語るものかと思う。」(高村光太郎
 ご縁があって、信州信濃の善光寺(ぜんこうじ)さんにお参りをしてきました。ぼくの前で手を合わせている大黒さんの肩のあたりがあまりにも小さく見えて愕然(がくぜん)としました。「実家の両親のご回向(えこう)をお願いしたら・・」というと、彼女は「そういたします。」と答えました。小さな両肩がふるえているようにも見えました。

    山姥の背にうつくしき夕蜉蝣