木魚歳時記 第944話

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機によって法を説く

 「機根」(きこん)とは、仏教を聞く人、教えを受ける人々の性格も、知識も、体験も多種多様であるということです。
 仏教が説く真理は一つであっても、真理を学ぶ者の環境・条件はさまざまです。ですから、相手によく理解されるためには、相手に応じて説法する必要があります。釈迦(しゃか)が在世された時代のインドはカースト制を始め、身分差別の厳しい社会ですから、逆に、知識階級はほんの一握りにすぎなかったでしょう。そうした大部分の庶民に仏教を理解しもらうため、釈迦(しゃか)は「相手に応じて法を説く」ことをされました。これを「対機説法」(たいきせっぽう)と呼びます。病人の症状に応じて薬を調合する「応病与薬」(おうびょうよやく)のようなものです。

     戒律をやぶり少年竜の玉