以心伝心
禅宗の『伝灯録』(でんとうろく)十三に「仏滅(ぶつめつ)後、法を迦葉(かしょう)に付す。以心伝心(いしんでんしん)」とあります。ことばで伝えることのできない法を、心から心に伝えることを「拈華微笑」(ねんげみしょう)といいます。
入涅槃(にゅうねはん)、つまり、死が近づいたことを悟った釈尊(しゃくそん)は、多くの弟子たちに花を手折(たお)って渡された」(これを<拈華(ねんげ)>といいます)。弟子たちは釈尊(しゃくそん)の真意がわからず、とまどいの表情を見せました。しかし大迦葉(だいかしょう)だけは即座に微笑(みしょう)いたしました。その瞬間に釈尊の法を継ぐ者は大迦葉(だいかしょう)に決定したのです。