木魚歳時記 第2184話
(いかなる戒めを)釈尊は答う「長上を敬い、嫉(ねた)むな。諸々の師に見(まみ)えるのに適当な時を知り、法に関する話を聞くのに正しい時機を知れ。みごとに説かれたことを謹(つつし)んで聞け。」(スッタニパータ)
[ボクの細道]『スッタニパータ』(4) 釈尊一代の説法は<対話>の形式でなされました。すなわち、釈尊ご自身が<文字>で書き残されることはありませんでした。したがって、現在、わたしたちが目に触れる「経典」とは、釈迦滅後、弟子たちの「耳に残る記憶」を文字化されたもの、もしくは、後世<釈迦の跡を踏む者たち>により体系化されたものであります。これらが、今、わたしたちの目に触れる「経典」と称されるものであります。それらの経典群の中で、年代的に「原始経典」と称され、しかも、最も古いものの一つが『スッタニパータ』であります。だからこそ、釈尊の説法の素形に触れる意味で<真実のことば>といえるのです。