慈悲をもち相向かい仏眼をもて相看る
善導大師(ぜんどうだいし)の『往生礼賛』(おうじょうらいさん)にあることばです。
「慈悲(じひ)をもち相(あい)向かう」とは、もし自分が相手の立場であったら・・相手の立場と身になって考え行動することです。
「仏眼(ぶつげん)をもて相看(み)る」とは、これも同じような意味であります。仏(ほとけ) とはこの世の真実に目覚められた者の意味でありますから、人間の欲望や醜(みにく)さ に気がつかれた方ですから、そのような悟(さと)りの眼で相手をながめることになります。このように「慈悲」(じひ)、すなわち、思いやりの心で他者に接することは、仏教で最も重要な教えといえます。