木魚歳時記 第554話

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 「観世音菩薩」(かんぜおんぼさつ)の略であります。原語サンスクリット語のアヴァローキテーシュヴァラを「観世音」(かんぜおん)と意訳するには、学問的にさまざまの問題もあるそうですが・・ここでは慈悲・救済を特色とする菩薩ということで留めておきましょう。

 日本における観音信仰は、鎮護国家と庶民的な「現世利益」(げんせりゃく)を含めて、奈良時代頃から盛んになったといわれています。とりわけ、中世以降、浄土信仰の隆盛にともない、六観音による<六道抜苦>の信仰や、弥陀(みだ)の脇侍(わきじ)として、「来迎引接」(らいこういんじょう)のご利益(りやく)が広まり庶民に浸透したと考えられます。ぼくは仏教美術で<女性像>に描かれることに興味がありました。観音は、語法(文法的)には男性となるそうですが、アナーヒーターという女神との混同が生じたものでしょうか?女性の神格とする説もあるそうです。

   石仏の脛でおろがむ子かまきり(応募作品3)