木魚歳時記 第542話

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 「阿修羅」(あしゅら)の語源となる「アスラ」は、アーリア人のインド進入以前にさかのぼるともいわれています。それはともかく、アスラは、強力な支配力を持つ神の意味に用いられていたようです。

 仏教においても、人の生存中の行為によって、死後、つぎの生存の状態が定まると考えられていました。「六道輪廻」(ろくどうりんね)のように、六種類の生存の状態が想定され(「輪廻」の項参照)、阿修羅はその内の一つに数えられていました。また、阿修羅は、その戦闘的な能力がかわれて、仏教を守護する八種の神的なもの、つまり、「八部衆」(はちぶしゅう)一人にも加えられていたのです。日本の仏教芸術にも登場し、興福寺の阿修羅像などが有名です。また「阿修羅のごとく」とか「修羅場」のように日本語の中にも定着してゆきます。

   狛犬も以下同文や神の留守