花街に のっぽ猫背の 盆の僧
ぼくは、のっぽではありませんが、お盆の「棚経」(たなぎょう)で、昼の祇園街を抜けます。そこには、夜の花街と違った匂いがあって、ぼくは、それを肌で感じて通りすぎます。
「誰にも知られていないと思っている。
しかし、自分が見ている」(木魚)
「盂蘭盆会」(うらぼんえ)、つまり「お盆」に、お檀家さまの仏壇に設けた精霊棚(しょうりょうたな)の前で、僧侶が読経を上げる習慣は、江戸時代の檀家制度の確立に伴って始まったと考えられます。ぼくも、40年余り欠かすことなく「棚経」を続けて来ました。