木魚歳時記第4886話 

 (五)室の津に来て旧知の家にころがり込み、赤鬼、青鬼を海上の仕事に送って後、彼は上人の昔の小矢児とも知らないが、若者らの行動を想像して落ちつけない。彼には悪漢の素質は絶無であった。ただもののはずみで運悪く、柄にない悪の世界に落ち込み、境遇に押し流されて一生を過ごした。いわば気の毒な凡庸(ぼんよう)の見本の彼であった。(佐藤春夫『極楽から来た』)

        猛犬のいつも寝てゐる片陰を

 「片陰」(かたかげり)は夏季となります。ぼくがお盆の棚経(たなぎょう)で急いでいる時に、決まってこいう場面に遭遇(そうぐう)しました! それでも、知らんふりして抜けて通りました! ぼくは怖がりなんです(笑)。