木魚歳時記 第191話

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冱返る 岩に食ひこむ 猿団子

 古今東西を問わず、人間は空を見上げて、そこに心を奪われてきました。農作物の出来ぐあいとか、日常の暮らしのすべてが、天候に左右されることは多いものです。しかし、そればかりではありません。それは、空は神々の住むところ、そして永遠にわたしたちにおおいかぶさるもの。つまり、空は、わたしたちにとっての絶対の象徴であったのです。そして天空は、わたしたちの魂が昇天して眠ることができる「最後の楽園」と信じられてきたのです。

 最近「足元から遠くへ。」と、それから「遠くから足元へ。」の言葉を知りました。これは句作の心得として大切なものだそうです。虫の広角レンズと鳥の望遠レンズを備え、「ハッ」とする感動を切りとることが大切なのです。

 足元から遠くを見つめ、遠くから足元をみつめ直す、この「虫の目・鳥の目」のヒントを得て、はたして、ぼくの句作は「目からウロコ」となるのでしょうか?

    「かにかくに いかれ木魚の 穴施行」