木魚歳時記 第175話

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大雪や 白夜に融ける 磨崖仏

 子どもの頃は銭湯に通いました。番台の向こうの女湯が、まるで極楽の世界を眺めるように、うつつゆめもどきであったことを覚えています。

 「銭湯は地域社会の断面を示す場である。そして裸という社会的衣服を脱ぎ捨てた時にあらわとなる人間関係の変化を最も端的に示す場である。」そんな難しいことはいわずとも、銭湯が癒しの場であり、ふれあいのノスタルジアを醸したことは確かです。その銭湯が家庭風呂となり、家庭風呂も焚くから沸かすへ、コックを<ひねる>からオートボタンを押す、へと進化しつつあります。

 29歳のとき出家された釈迦は、6年間の難行苦行でも目的を達することができず、尼連禅河(にれんぜんが)のほとりで休んでおられました。そして「沐浴」(もくよく)をすまされ、村娘スジャータの捧げる乳粥(ヨーグルト)を飲み、そして悟りの境地に達せられた…と伝えられています。今日は、釈迦が「成道」(じょうどう)された日です。

   「ふぐしゃぶに 大波小波 津波あり」