木魚歳時記 第138話

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裾ラッパ への字への字の 三尺寝

問答での決着

 悟空と妖怪の勝負は着きません。この妖怪は天界に棲む蜉蝣(かげろう)でしたが、天帝の寵愛を裏切り森番と不義をし、下界に追われ白蛾の精になって、琵琶洞に棲みついて若猿たちを誑かしたり、塩漬けにして食らっていたのです。

 ワザ競べでは勝負がつきません。そこで<かけことば>の知恵くらべで決めることになりました。お題は空(くう)です。つまり、空(くう)と掛けてなんと解く…の問答です。まず、妖怪が「ドーナツの穴」と解きます。心は、穴は「ないといえば無い、あるといえば有る」上手い。つぎに、悟空は「色即是空」(しきそくぜくう)と解きます。心は「色っぽいことをするとむなしくなる。」下品です。このように知恵くらべは悟空の負けとなりました。その後、二匹はどうなったか?それはともかくとして。「密会と 知らぬ夫の 大昼寝」