木魚歳時記 第131話

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葉隠に 瘤と角もつ 花石榴

分身の術

 <身替りの術>。悟空と混世魔王が勝負したとして。魔王が松ノ木に化けるや、悟空は樵に変ってその木を倒す。魔王が小魚に化けて水に潜れば、悟空は翡翠(カワセミ)と変わって、そのあとを追う…といった変化自在の術のことですが、悟空は達人になります。

 <身外身の術>。からだの毛をひとつかみ抜きとって口に含み「変われ」と叫ぶと、八万四千の毛はたちまち同じ数の小猿に変わります。そして、混世魔王の股ぐらにもぐり、足をつねり、殴る、蹴る、むしる、すいつく?…あのタフな混世魔王を悶絶したという、分身術の達人になります。
 このように、きん斗雲、変身の術、分身の術を身につけた孫語空の噂は、たちまち、補陀落(ふだらく)の神仙たちの評判となり、観世音菩薩さまのお耳にも達することになるのですが、そのことはまた…