木魚歳時記 第106話

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爛漫の 一山買ひて 花見酒

 匂いすみれから木食さんがでました。さくら爛漫(らんまん)のころ、庭の片隅にある匂いすみれは、きっと木食さん「遊行」(ゆぎょう)の寝床となったのかもしれません。        「大川は 花・小手毬の 二重奏」

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 肉類・五穀を食べず、木の実・草の根を食べて仙人となった。こんな伝説は数多くあるようです。五穀を断ち、木の実・草の根だけの「木食上人」はつぎの二人が有名です。
 (1)木食応其・おうご(1537~1608)。近江(滋賀県)出身の真言僧で、秀吉の高野山攻撃を遺留したといわれます。のち秀吉の信任を得て、高野山講堂を始め各地の寺社復興に努めました。
 (2)木食五行・ごぎょう(1718~1810)。甲斐(山梨県)出身の遊行(ゆぎょう)僧です。千体仏造像を発願し、全国を遍歴して各地に独特の木彫り仏像を残しました。