2013-12-10から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第48話

萩の宮 ゆきかう人の 萌黄色 (予告) 自分史・『最遊戯』も第4話が終了しました。しかし、これまでは、ほんのプロローグにすぎません、第5話より、いよいよ、本編(「千夜一話物語」)に突入します。ヒュ~ウ。 本編とは「ぼくの、ぼくによる、ぼくのため…

木魚歳時記 第47話

公園の ベストドレスは 葉鶏頭 説明も要しない「駄句」です。なんでこんなに陳腐になったのか?それは、①宿題(兼題)が頭から離れない。②季語に「こだわり」すぎ。③上手に作ろうとええ格好する。そして「こねまわす」。はじめ多少は魅力を感じた「初心者の…

木魚歳時記 第46話

列島を 時計回りに 秋刀魚漁 北の海から、親潮に乗って秋刀魚漁は南下します。ですから、北上する黒潮とまじわる千葉県沖で獲れる秋刀魚は、旬の味を満載して一番に美味しいといわれます。七厘(しちりん)と、炭火と、渋うちわ。中腰でバタバタやるおやじ。…

木魚歳時記 第45話

大衆魚 「さいら・さえら」が 全国区 方言の[さいら・さえら]が、秋刀魚(さんま)として、文芸などに登場するのは明治以降のことだそうです。そして、『秋刀魚の歌』(佐藤春夫)で一躍有名となったのです。 ぼくは、家庭で、「ああせい、こうせい」の一点張…

木魚歳時記 第44話

山椒魚 残暑食ひて のたり哉 挫折の渇きを「癒す」ため動物園へ行きました。炎天下の園内は人影もなく動物もぐったり。水槽の山椒魚だけ「平常心」で沈んでいました。 人間の欲望(渇き)に、①食欲(個体の維持)。②性欲(種の維持)。③心の渇き(人間性の維…

木魚歳時記 第43話

炊きたて 飯と汁に 目黒のさんま 句会でボツとなりました。七厘(しちりん)で焼いた「目黒のさんま」(落語)は、庶民にとっても垂涎の的です。しかし、この句では単なる「言葉遊び」、ボツが当然です。句歴4ヶ月にして2回目の挫折です。 ところで、「菩…

木魚歳時記 第42話

子宝に 押されて伸びる ささげかな 「ささげ」とは、その中に十数個の豆が並ぶ豆科の植物です。「ささげ」の大きいものは、その「莢」(さや)が20~30センチにもなるそうです。 ところで、「地蔵菩薩」は、「六道」(ろくどう)を輪廻」(りんね)する…

木魚歳時記 第41話

かなかなに 釣られてたどる 隠し水 長い地虫の生活、危機一髪の脱皮もこなし、やっと晴れ舞台で時雨れる蝉の声。しかし、残暑に鳴く「秋の蝉」には、なぜか、哀愁がつきまといます。<かなかな>の魅惑に誘われたどる秋蝉の行く先とは・・雲谷斎の妄想はとめ…

木魚歳時記 第40話

たちんぼう 石仏すそに 処暑の風 天竜寺の近くで見かけた石仏さま(写真)です。「天」(世界)を一身に背負って、照る日、曇る日、炎天も…、昼夜「たちんぼう」のお姿に感動します。 「菩薩」とは、①「自分の悟りを求める」、②「すべての人を救済する」、こ…

木魚歳時記 第39話

老木に 鳴き固まりて 秋の蝉 「無量精舎の鐘の音(ね)に、諸行無常の響きあり、百日紅の花の色、和尚転落の兆(おめでた)を顕す」。ぼくの寺の一隅にある「猿すべり」(百日紅)の下に、この観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)の像(写真)があります。 「菩…

木魚歳時記 第38話

生き仏 樗の花の 化身かな 釈迦牟尼(しゃかむに)とは、2500年ほど前、北インドの一帯に住した釈迦族の「聖者」という意味です。その聖者が「真実」に目覚められ、説かれたのが仏教です。 嵯峨釈迦堂にある「釈迦牟尼仏」(しゃかむにぶつ)は国宝です…

木魚歳時記 第37話

一隅に 万灯ゆれて 百日紅 工事現場で、お地蔵さん(写真)が出たがどうしたものか? そこで、ぼくの寺であずかることになりました。それからはずっと、お寺の「一隅を照らして」いただいています。 法然上人は、「知者のふるまいをせず(愚者の自覚)」と申…

木魚歳時記 第36話

一年を 三日で駈ける 盆の僧 お盆回向(えこう)の帰り、豊中のホームで立っていると、ツツーと男が近づいてきました。「おっさん儲けてまっか?」 一瞬、「ぼつぼつでんな!」と応えるわけにもいかず、ニンマリ笑って「ごまかし」ましたが、考えてみるとギョ…

木魚歳時記 第35話

炎天を 深紅に染めて 夾竹桃 10トン車が疾走する高速道路の堤に、深紅の夾竹桃の塊がなびいていました。あの葉っぱの剛直さといい、あの群がり燃えるような花のたくましさといい、なんだか異国情緒の濃い花だとは感じていましたが、やはりインド産の植物の…

木魚歳時記 第34話

夕立の マダラ模様に 暑気払い ふり足らない夕立ほど厄介なものはありません。斑目にふり残した夕立が、むっとする大気をかきまぜて、通り過ぎてゆく・・・ほんとうに「性悪」(しょうあく)な雨です。 ところで、人間は、本来、「性悪」なのか?それとも「…

木魚歳時記 第33話

路地裏で 少女羽化する 青い夜 ネオン街の人影も消え、雑踏がうそのように静まるころ、一人の少女が忽然と消えた。おそらく「蓮華化生」(れんげけしょう)したのでしょうか?なぜなら、純白のハンカチが一枚、少女の抜け殻のように、路地の片隅に舞っていま…

木魚歳時記 第32話

麗しの 雲古軍団 夢ん中 悪さ、する人がいるものです。ぼくのパソコン音痴を知りながら、メールで動画を送ってきました「ここをクリック」。いわれたままにすると、恐ろしや「阿吽」の呼吸で、パソコン画面に、ウンコ軍団が・・・もう、あたまが腐になる、気…

木魚歳時記 第31話

何人の 放下するかな 熱帯夜 「何人」といっても、ぼく、雲谷斎(うんこくさい)真之介と、大黒さんの外には誰もいません。このクソ暑くて、草木も眠れない丑三つ時、突然に起こるは「放下」(ほうげ)する気配…。嗚呼、ごく最近まで、あのような行為は、細…

木魚歳時記 第30話

地球儀を つかみ損ねて 八咫烏 ワールド・サッカーの狂熱,、あれは一体なんだったのでしょうか。ところで、サッカーを蹴球(しゅうきゅう)と呼んだ・・・これは第二次大戦中、横文字禁止政策の言葉です。ですから、若い人はしらない? さて、ワールド・サッ…

木魚歳時記 第29話

こんなよい 月をひとりで みて寝る 少々格好がついた、と、早合点したらあきません。他人さまの句(片岡鶴太郎?)です。さては、ぼくの句材が枯渇した…なになに、そうではありません。他人さまの句も「こだわり」なく持ち出せるほど、ぼくの心が自由になっ…

木魚歳時記 第28話

抜けすずめ 原画に戻る 青夜かな 襖絵(加納画伯)の雀が、あまりに巧みなので、抜けて飛んでしまった。ところで、「原画」という表現は、俳句に‘なじまない’。でも「襖絵」では陳腐すぎる?嗚呼、句歴二ヶ月にして早くも挫折です。 三日三晩、飲んで食べて…

木魚歳時記 第27話

炎天や 近くて遠き 解脱門 「お坊さんが詠まれそうな句ですね」と、句評がありました。いわれてみると「坊主くさい」しろものです。それと「遠くて遠き」といのが、本音なのはもちろんです。 「解脱」とは、一般的には「束縛から解き放す」という意味です。…

木魚歳時記 第26話

夕顔の あなた夜きて 朝帰る 嗚呼、こんな‘グチ’など、一度でいいから聞いてみたい・・・時実新子さんの作品に「ねたかねんだか 枕に問えば 枕ものゆた ねたとゆた」ありました?ぼくの「廃句」の目標は新子さんです。 ところで、いろは歌の前半は「色は匂へ…

木魚歳時記 第25話

夕立や 有相無相が 泡沫に 激しい雨足が地表を一変していきます。雨宿る人、急ぎ足で駆け抜ける人、虫も、落ち葉も、渇いた土も、空気までが・・・たちどころに泡沫(うたかた)。新鮮さに変えてしまいます。 「相」(そう)とは、「もの」が有する特徴、属…