木魚歳時記 第41話

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かなかなに 釣られてたどる 隠し水

 長い地虫の生活、危機一髪の脱皮もこなし、やっと晴れ舞台で時雨れる蝉の声。しかし、残暑に鳴く「秋の蝉」には、なぜか、哀愁がつきまといます。<かなかな>の魅惑に誘われたどる秋蝉の行く先とは・・雲谷斎の妄想はとめどがありません。

 ところで、石仏の「地蔵」とは、①すべてを育む大地、②生まれいずる「いのち」を包蔵する子宮、この両者の意味を包括します。したがって「地蔵菩薩」とは、一つには「母なる大地」の意味、二つには、すべてを容れる「母の懐」を意味します。この双方の特性をシンボライズ(具象化)したのが「地蔵菩薩」であります。慈悲の心で、衆生救済を目的とされるのが「地蔵菩薩」です。